2011年7月6日水曜日

喧嘩の止め方

日曜日のまだ明るい夕方、大久保の裏道で若者二人が喧嘩をおっぱじめそうな雰囲気。
茶髪が黒髪に文句をつけてて、今にも殴りかかりそうな勢い。
黒髪のほうはというと、文句言われて、小突かれて、何か言いたげだけど、黙って相手を見ている。
水商売の同じ店の人間っぽい。
たぶん女関係のトラブルじゃないかなと感じた。

なんでそこまで観察していたかというと、ワタシは軽く通り過ぎたかったのだが、ゴツく正義感あふれるサンボの仲間たちが止めに入る構えを見せていたからだ。

ワタシとて、これが一対多数だったり、武器を持っていたりすれば話は別だ。
あるいはこれが一方的な力関係に見えたら、もう少し感じ方が違ったかもしれないが、昼間の住宅街で人通りもないわけではない。
生死にかかわるようなことにはならないだろう、というただの直観である(もちろん根本は面倒には関わりたくない、だ)

しかし、仲間たちがそのような感じなので、ワタシも少し離れたところで見守っていたら、突如、茶髪がヒートアップ。
黒髪の首を絞め始めた。
といっても、いかにも素人のヘッドロックっぽい絞め方。

仕方ないのでワタシも近寄って行ったが、それよりも全然早く仲間の一人は反応し、その茶髪の背後から絞めあげる。
その瞬間、見た目はまるでプロレスのバトルロイヤル(笑)。

もっとも、その仲間が後で言うには、チョークではなく、あえてフェイスロックで締めあげたらしい。「噛まれるリスクはあったけど」とも言っていた。
絞め落とすのが目的ではなく、二人を離させるのが目的だから、そうしたのだろう。

まあそんなことより、ワタシが感心したのは、そんな茶髪の輩に対して、フェイスロックで引きはがしにかかりながら、「やめましょう、やめましょう」と丁寧語だったことである。

この仲間は、レスリングでもサンボでも大変な実績がある方である。
腕っぷしでは茶髪など全く寄せ付けない方なのに……、いや、素晴らしい。

ワタシは喧嘩の技術なんかよりも、喧嘩を止める技術のほうに関心がある。

さて、そんな色んな人間が止めに入ったことで、何となく大丈夫そうだと判断した私たちはその場を離れ、しばらくして別の仲間と合流した。

その別の仲間の話によると、さっきの場所に警察が来ていたとか。

住宅街だったし、近隣住民が通報したのかもしれない。

しかし、仲間たちは言う。
ワタシの見た目が怖いから、住民が通報したんだよって。
そんなことはないはずだ(笑)。